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デンマーク留学&ヒュッゲな人生の楽しみ方
生涯教育の学校、フォルケホイスコーレへのデンマーク留学体験をもとに、一冊の本にまとめたお話。
減り続けるニホンライチョウさんから見えてくる日本の自然!
先月のニュースですが、

ニホンライチョウさんのタマゴ10個を採取して、

それを富山県ファミリーパークと上野動物園で、

人工孵化の取り組みが行われました。


それは、繁殖地での生態系を壊すような食害

棲息域にいなかったキツネさんやカラスさんたちによる捕食

この結果、ニホンライチョウさんは、数を減らして、

このままだと絶滅する危険に至っているからです。


このニホンライチョウさんは、

世界中のライチョウさんの仲間の中で一番南に棲息

氷河期が終わり、日本列島と大陸が海で別れてからは、

夏でも比較的涼しい寒冷の南アルプスの森林限界の高山地帯で、

細々と生き延びてきました。


ところで、このニホンライチョウさんですが、

世界中にいる他のライチョウさんたちと違って、

ヒトを恐れず、こちらが近づいても、

警戒心が薄く、慣れているのが特徴です。


しかし、近年、3000羽ほどいたと言われていたライチョウさんが、

2000羽ほどに減少してしまいました。


そのことを、ニホンライチョウさんの調査研究から、

保護の重要性を訴えてきた中村浩志さんは、

著書の中で次のように言われていました。


かつて日本文化によって確立されていた野生動物とのすみわけ構造は、完全に崩壊した。

里と里山はヒトの領域、奥山は神の領域として使い分けた日本文化によって、

人と野生動物とはうまくすみ分けてきた。


このような日本文化を成り立たせていたのは、古来、日本人が当たり前に持ち合わせていた、

自然に対する畏敬の念である。


それが如実に失われていった明治以降、開発により、じつに多くの自然が失われていった、


それから百年余を経て、ようやく人々の間に、自然に対する保護意識が芽生え始めた。

ところが皮肉なことに、今度は人に代って増えすぎた野生動物たちが、

最後に残された貴重な自然を破壊しようとしている。


中村浩志著『二万年の奇跡を生きた鳥 ライチョウ』(農文協)247頁4行~11行目引用


この本を読んでいてduck4は、

自然の破壊や崩壊がヒト側のみならず野生動物の側からも、

引き起こしていることへの驚きでした。


それは、あんなに臆病なクマさんが、

ヒトの生活圏に出没するようになったこと。


これは、よく北海道では見かけましたが、

エゾシカさんが、街の中でも群れをなして行動していること。

それこそが、今まで見られなかった野生動物が、

ヒトの棲息域に進出している証拠だからです。


また、ヒトが住まなくなった里山での勢力拡大。

外敵に襲われる心配もないため、個体数は、爆発的に増えていく野生動物の現状を見て、

なす術もないまま放置されてきました。


もうすでに、ヒトと野生動物の境界線は崩壊

開発により、畏敬の念として守られてきた野生動物の聖域には、ヒトの開発が及び、

そこを追われた野生動物たちも、新たな棲息域へと追いやられたことで、

新天地での生態系を滅ぼす自然破壊が起きてしまっています。


今まで細々と高山で暮らして来た、

ニホンライチョウさんたちにも、

その外敵によって危険が及ぶようになってしまいました。


この本を読んでいてduck4は思ったこと。

それは、今まで自然を壊してきたヒトでしかこの日本の自然が守るしかないという、

何とも皮肉な結果になってしまったことです。

DSCF5487_convert_20150726080024.jpg

((『二万年の奇跡を生きた鳥 ライチョウ』の本



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[2015/07/26 07:59] | アヒル・白鳥・野鳥⑩ | トラックバック(0) | コメント(8) |
<<平和を祈願するハクチョウさんの絵図から! | ホーム | ハクチョウさんの換羽について!>>
コメント
duck4さん、今晩は
3年前に乗鞍岳でライチョウ親子に出会いました。
本当に人を恐れず比較的近くで見られました。
ライチョウは山の神として敬われてきた歴史があるようです。
それがキツネなどの野生動物で減少するのは残念です。
何とかバランスを撮ってライチョウが増加に転じるといいですが…。
[2015/07/26 19:15] URL | ハロゲンくん #-[ 編集 ]
おはようございます。

私は以前岩登りをしていたのですが、急峻な岩場でライチョウをよく見かけました。おっしゃるとおり、人を恐れません。無心に餌を探しているのですが、小石をパラパラと落としてくれますので、閉口したことがあります。それほど多かったような気がします。保護活動が実るといいですね。
[2015/07/27 06:00] URL |   Gabacho #nH0dgipQ[ 編集 ]
ハロゲンさんへ

おはようございます!

> duck4さん、今晩は
> 3年前に乗鞍岳でライチョウ親子に出会いました。

ハロゲンさんは、乗鞍岳に登山されたんのですね!
そこで、ライチョウさんの親子に出会えたんですね!
さぞかし、可愛かったことと思います!

> 本当に人を恐れず比較的近くで見られました。

やはり、ヒトを恐れず、近くまで来るのは、
どことなく、ハクチョウさんたちのようです!

> ライチョウは山の神として敬われてきた歴史があるようです。

ライチョウさんは山の神として崇められ、
それは、ヨーロッパで狩猟の鳥さんとは、
違った変遷を辿っているようですね!

> それがキツネなどの野生動物で減少するのは残念です。
> 何とかバランスを撮ってライチョウが増加に転じるといいですが…。

増えすぎた野生動物の影響で高山植物があらされ、
ライチョウさんたちの棲息地にも悪影響を及ぼしていると、
中村浩史さんの本では言っていました。

やはり、保護して、
ある一定数の個体維持に努める時期に来ているのでしょうね!v-519v-521
[2015/07/27 06:36] URL | duck4 #-[ 編集 ]
Gabachoさんへ

おはようございます!

> おはようございます。
>
> 私は以前岩登りをしていたのですが、急峻な岩場でライチョウをよく見かけました。おっしゃるとおり、人を恐れません。無心に餌を探しているのですが、小石をパラパラと落としてくれますので、閉口したことがあります。それほど多かったような気がします。保護活動が実るといいですね。

Gabachoちゃんは岩登りをしているときに、
岩場で小石を落としながらライチョウさんが歩き回っていたのですね!

野生動物たちが高山地帯にも入ってきて、
ライチョウさんたちの棲息地にも悪い影響を及ぼしているため、
減っているのではないかと、中村浩史さんの本では言っていました。

ライチョウさんが、朱鷺さんやコウノトリさんのように絶滅しないためにも、
保護活動が実ると良いですよね!v-519v-521
[2015/07/27 06:42] URL | duck4 #-[ 編集 ]
こんにちは^^
環境整備とか自然破壊が動物達との境界をなくして
しまい、もともといた動物たちの世界に入り込んだのが人間でしょうね。
私たちも写生会で山奥に行くことがありますが、熊さんとの遭遇が心配な時もあります。
共存できる方法を考えるのも、人の知恵でしょうか。!?
[2015/07/30 15:23] URL | 絵っちゃん本舗;マー #-[ 編集 ]
マーさんへ

おはようございます!

> こんにちは^^
> 環境整備とか自然破壊が動物達との境界をなくして
> しまい、もともといた動物たちの世界に入り込んだのが人間でしょうね。

そうなんでうよね!
このような土砂崩れが多く、動物の領域まで足を踏む込み、
里山にもヒトが住まなくなり、そこには野生動物の縄張りになり増える。
そして、増えすぎた動物によって、畑があらされる。
何か、ヒトが作り出した人災ですよね!

> 私たちも写生会で山奥に行くことがありますが、熊さんとの遭遇が心配な時もあります。

マーさんの写生会も山で行われることもあるようなので、
森のクマさんに出会わないように注意してくださいね!
水辺も危ないので、電気柵にも!

> 共存できる方法を考えるのも、人の知恵でしょうか。!?

マタギさんや猟友会の方々もご高齢になり、減っていると言われています。
やはり、オオカミさんが絶滅したことで、
草食系動物を狩る肉食獣も日本から姿を消しました!

飼い犬さんや飼い猫さんを捨ててさっ処分されたり、
本当にヒトの身勝手さから、
今の日本の自然があるように思えてなりません!v-519v-521
[2015/07/31 07:35] URL | duck4 #-[ 編集 ]
こんばんは。
前回のduck4さんの「平和を祈念するハクチョウさんの絵図」と今回の記事を読んでいて、私も想いが遠い昔へと向かいました。江戸時代がエコな社会で、人間は自然や生きものと共生して暮らしていたことを、私も思ったのです。海や山の自然からの恵みで食を彩り、木や石や土や藁などの自然の物を知恵を働かせて役立てることで暮らしていたことなど。
思うに、日本人の元来の意識構造は周囲の物を意図する状態に力で改変するのでなく、それらの性質に自分がうまく順応してそこからふさわしいものを引き出すような行き方だったように思います。感覚の繊細さでもって。それが明治維新以降、西洋流の強い自我を身につけて、強固な意志の力で周囲を「こうあるべきだ」という状態に無理やり改変するような生き方にだんだんと変わっていったのだと思います。そこから環境との付き合い方がうまくいかなくなったのでは、と思うのです。(もちろん個の尊厳の自覚や人権の感覚はかけがえのないものですが。)
 それと、宮崎駿さんが外国特派員協会の会見で、政府の大学の人文系の学部を無くす政策について訊かれて、「歴史の観念時間の観念が失われていっている、今という状態がずっと続くと思う様になっていることが社会に広がっている」と言われていました。まさしくこれが今の日本社会の歪みの本質、根本の原因だと思います。また、「私はアメリカの文化や生活様式は好きではない」とも言われてました。
 テクノロジーの発達によって現在の状況と現代文明に全能感を抱き、自然に優しくない大量生産大量消費社会をどんどん推し進めてモノやゴミが溢れ返っている。原発についても。社会の空気に関しても、謙虚さを失って他者に不寛容になる、などを来たしていると思います。

現代人は、太古から連綿と続く自然の営みにもっと目を向けるべきだと思います。
鳥さんは人間よりはるか昔から生きて進化を遂げた生きものなのに、絶滅させようとしている人間の罪深さ・・。
[2015/08/08 23:49] URL | Bird run! #-[ 編集 ]
Bird runさんへ

おはようございます!

> こんばんは。
> 前回のduck4さんの「平和を祈念するハクチョウさんの絵図」と今回の記事を読んでいて、私も想いが遠い昔へと向かいました。江戸時代がエコな社会で、人間は自然や生きものと共生して暮らしていたことを、私も思ったのです。海や山の自然からの恵みで食を彩り、木や石や土や藁などの自然の物を知恵を働かせて役立てることで暮らしていたことなど。

江戸時代は、自然循環型のエコ社会だったと思います!
きっと今よりも鳥さんたちが棲みやすい時代だったことと思われます。
なぜなら、幕府により、保護され、朱鷺さん、タンチョウさん、コウノトリさんが自然に田んぼにいて、
餌を取っていたことと思います。

また、仙台藩では、ハクチョウさんたちは、大切にされていて、
怪我したハクチョウさんを保護して連れて行くと、褒美におコメももらえました!
そして、白鳥神社もあり、そこではハクチョウさんたちを祀り敬ってきました。
信仰の対象でした。

> 思うに、日本人の元来の意識構造は周囲の物を意図する状態に力で改変するのでなく、それらの性質に自分がうまく順応してそこからふさわしいものを引き出すような行き方だったように思います。感覚の繊細さでもって。それが明治維新以降、西洋流の強い自我を身につけて、強固な意志の力で周囲を「こうあるべきだ」という状態に無理やり改変するような生き方にだんだんと変わっていったのだと思います。そこから環境との付き合い方がうまくいかなくなったのでは、と思うのです。(もちろん個の尊厳の自覚や人権の感覚はかけがえのないものですが。)

江戸から明治になり、自然と共にある社会から、進歩発展のために自然を壊し開発してきました。
それは、古来から受け継いできた日本独特の考えを捨て、西洋流の自然を支配するという考えが生まれたからでしょう。

そのため、銃の性能も向上して、今まで保護対象だった鳥さんたちも、
その狩の対象になり、タンチョウさんやハクチョウさんは、ヒトとの共存をやめ、
恐れるようになってしまい、また絶滅の危機に瀕してしまいました。

>  それと、宮崎駿さんが外国特派員協会の会見で、政府の大学の人文系の学部を無くす政策について訊かれて、「歴史の観念時間の観念が失われていっている、今という状態がずっと続くと思う様になっていることが社会に広がっている」と言われていました。まさしくこれが今の日本社会の歪みの本質、根本の原因だと思います。また、「私はアメリカの文化や生活様式は好きではない」とも言われてました。

duck4も国立大学で、人文学部を無くすというニュースには関心を持っています。
まさしく、Bird runがおしゃるような、日本社会のひずみの本質があるようにも思いました!
人文学は、教養として大切なのですが..!

>  テクノロジーの発達によって現在の状況と現代文明に全能感を抱き、自然に優しくない大量生産大量消費社会をどんどん推し進めてモノやゴミが溢れ返っている。原発についても。社会の空気に関しても、謙虚さを失って他者に不寛容になる、などを来たしていると思います。

テクノロジーが発展しすぎて、自然が崩されてきました。
このまま行くと、大変なことになってしまいます。
ヒトの暴走で、とんでもない地球になってしまいます!

> 現代人は、太古から連綿と続く自然の営みにもっと目を向けるべきだと思います。
> 鳥さんは人間よりはるか昔から生きて進化を遂げた生きものなのに、絶滅させようとしている人間の罪深さ・・。

duck4も太古から続いてきた自然に目を向ける必要性があります。
また、かろうじて、太古の自然が残っており、どう、ヒトが守っていくが大切ですよね!

あの恐竜は滅びましたが、その一部が鳥さんに進化しました。
ヒトはどうなるのでしょうか?v-519v-521
[2015/08/09 08:04] URL | duck4 #-[ 編集 ]
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Author:duck4
ニックネーム:ダック4(Duck4)
趣味:旅行、バードウオッチング(アヒル・ハクチョウ)
小著:『ヒュッゲの国からデンマーク流人生の楽しみ方』
(本の森出版)

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