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デンマーク留学&ヒュッゲな人生の楽しみ方
生涯教育の学校、フォルケホイスコーレへのデンマーク留学体験をもとに、一冊の本にまとめたお話。
ハクチョウさんたちが自然の餌だけで生きられる環境づくりを!
七北田川でもハクチョウさんたちは増えてきました

100羽くらいはいて、

そのうち、羽がまだ灰色の幼鳥は1割ほどはいると思います。

中には痩せ細った幼鳥のハクチョウさんもいます。

いつも、地元で給餌している方が心配してduck4に話していました。


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(冬本番になり七北田川にいるハクチョウさんたち!

さて、今日のduck4ブログの本題になりますが、

「ハクチョウさんたちが自然の餌だけで生きられる環境づくりを!」

というテーマを考えてみたいと思います。


ところで、昨今、鳥インフルエンザの影響で餌付けを禁止している

越冬地もたくさん増えてきています。


その主張のひとつに、

ヒトがハクチョウさんたちに介入するのではなく、

ハクチョウさんたちが野生で生きていくことが本来の姿に戻すべきだ!

という考え方に基づいています。


でも、一理あるかと思いますが、

ハクチョウさんたちが生きていける環境は、

人間の破壊と開発により、自然が失われてしまったことで、

無くなってしまっているのも現状なのです。


そのひとつの例として、

ハクチョウさんたちの好物のマコモが川には生えていません。

ちなみに、七北田川もです。

コンクリート護岸に覆われていない草が自生している土をクチバシで突っついて、

かろうじて根っこを食べているハクチョウさんたちを見かけます。


どうしたら、そのハクチョウさんたちとヒトが自然の中で共生できるのか。

そのヒントとなる取り組みが、「ふゆみず田んぼ」と言って、

冬でも田んぼに水を張っていて、そこをハクチョウさんたちの餌場として使ってもらう取り組みです。

これは、ラムサール条約にも締結されている宮城県大崎市の蕪栗沼周辺

一部の農家の方の取り組みで行われています。


duck4も何度かその「ふゆみず田んぼ」の現場に、見に行ったことがありました。

その田んぼには、日中100羽ほどのハクチョウさんたちがやって来て、

泥んこになりながら一生懸命に餌を探していました。


これは、ハクチョウさんとヒトとの共存!の成功事例だと思います。

また、越冬地で広げて欲しいとduck4は願っていることです。


DSCF1527_convert_20130312075455.jpg

(泥んこになりながら餌を探す蕪栗沼周辺に越冬しているハクチョウさんたち!

DSCF1811_convert_20130312083848.jpg

(畝でお休み中のハクチョウさん!

ところで、昨今、米価の下落でコメ農家の経営が圧迫されている言われています。

それは、政治に翻弄されたり、農家の高齢化、消費者の米離れ、またTPP交渉の行方などなど。

挙げれば切がないのでしょう。


この宮城県でも、今年は、コメあまりで、価格が下がってしまいました。


ただコメに関して言えることは、消費者が生産者へ求めるニーズにもギャップがあるのではないかと、

duck4は、うがった目で冷ややかに見ています。


かつてよりは低農薬で作られるコメ。

消費者が求めるおいしいお米とは、農薬が使われない、安心安全を食べたいはずです。

日本では、このようなオーガニックのお米をつくる農家さんは少ないので、

手間暇はかかるのでしょうか、一般消費者が食べている低農薬のコメよりは、

高く売れると思います。


また、農薬を使わないとうことは、

田んぼには、カエルさん、めだかさん、イナゴさんなど生き物が棲息でき、

そこには、たくさんの鳥さんたちが集まって来ます。

まさに、ヒトと生き物が循環できる本来あるべき自然が戻ってくるでしょう。


さて、日本の現状はどうでしょうか。

ハクチョウさんたちが自然の餌だけで生き延びることができるでしょうか。

また、釧路にいるタンチョウさんや鹿児島県出水に越冬するツルさんたちはどうでしょうか。


DSCF1193_convert_20130331075246.jpg

(給餌場に集まるタンチョウさんたち!)

まあ!晩秋までは、なんとか細々と稲刈りをした稲から生えてくるひこばえを食べられます。

しかし、真冬になると、ハクチョウさんたちは、餌を求めて集中してきます。

それは、自然の餌がないからです。


この集中こそが、ハクチョウさんたちや他の鳥さんたちにとっては良くないことです。

鳥インフルエンザで巷が騒いでいますが、

その原因をつくったのは、ハクチョウさんたちが生きていくために必要な餌場が

越冬地にはないということだと思います。


ただ、給餌することは、良くないという意見もあります。

しかし、給餌をやめて、自然の餌が得られる環境があるのかは、

ないというのが現在の状況なのです。


このハクチョウさんとヒトとの共生には、

日本の農業、自然保護の観点から論じる必要があります。

それは、安いコメを農協や消費者に買い叩かれるコメを作るのではなく、

ヒトの手がっかりますが、無農薬で自然からの恵みを受けたおいしいお米作りに、

活路を見出して欲しいものです。


また、「ふゆみず田んぼ」のような、冬場ハクチョウさんたちの餌場にして、

糞をしてもらい化学肥料に頼らないお金がかからないエコな肥料を使って欲しいです。


そして、餌付けをやめる代わりに、

もっとハクチョウさんたちが自然の餌だけで生きられる

環境を餌付けをやめた越冬地周辺、自治体では求められることもです。

それが、日本の里の風景を未来の子供たち残すことにも、つながっていくことでしょう。

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(震災前の仙台市大沼周辺の田んぼの様子!たくさんのハクチョウさんの餌場です!



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[2014/12/30 07:36] | 滞在組のハクチョウさん⑲ | トラックバック(0) | コメント(6) |
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コメント
こんにちは◎  
ハクチョウもタンチョウも冬期間は人間が餌を与えなければ・・・ 
生きていけませんね タンチョウは特に渡りをしないので、大変でしょう〜  
鶴は千年?と、言いますが 
今のタンチョウは生まれた時から冬になると餌をもらえる生活です。
親からも冬は此処に来て餌をもらうんだよ と、教わっているはずです・・・   
人類が滅亡して餌を与える人が居なく成った時、一緒に滅亡するのでしょうか???
[2014/12/30 13:38] URL | EAST‐H #DUuuUN8o[ 編集 ]
こんばんは、

富士山からの大量の湧水をあつめる柿田川は、ずっと昔から生活排水の影響を殆ど受けない川だと思います。この川にはミシマバイカモという水草がたくさん生えています。河川が自然の護岸のままで生活排水や農業排水が流れ込まなかった頃にはどこにでもあった光景なのだろうと思います。

人間と野生動物の共存は、大きな課題だと思います。いろいろ議論があります。佐渡の小さな谷戸で、休耕田を借り受け水を張ってトキが自然に餌を捕れるようにしてあるところがありました。こういった地道な取り組みを進めていくしかないのだろうと思います。
[2014/12/30 20:37] URL | Gabacho #nH0dgipQ[ 編集 ]
真剣に考えなくてはいけないテーマですね。
北海道のタンチョウヅルは保護のため・出水のナベヅル・マナヅルはツルの保護と農作物被害の軽減のため、人間がまき餌をしています。
昨日、『鳥の道を超えて』という映画を見てきました。
かすみ網をテーマにした映画ですが、昭和の中頃までは鳥の数が多く、羽音でポインター犬が恐ろしがったそうです。
農薬散布・環境の変化等、原因は日本だけにとどまりません。
鳥は環境のバロメーター、一気に解決できませんが今ある自然環境をこれ以上変えたくはありません。
何も出来ない自分にもどかしさを感じますが、日常触れ合う鳥達を大事に観察する様にしています。
[2014/12/30 21:03] URL | パッサー #-[ 編集 ]
EAST.Hさんへ

おはようございます!

> こんにちは◎  
> ハクチョウもタンチョウも冬期間は人間が餌を与えなければ・・・ 
> 生きていけませんね タンチョウは特に渡りをしないので、大変でしょう〜  

そうなんでうよね!
タンチョウさんは渡りをしないので、冬場の餌付けをしないと生きていけなくなりますよね!
もっと、分散すれば、また話が違いますが、
かつて、宮城県にも1羽迷い込んできたタンチョウさんがいました!
今は、どうしているのでしょうか!?

> 鶴は千年?と、言いますが 
> 今のタンチョウは生まれた時から冬になると餌をもらえる生活です。
> 親からも冬は此処に来て餌をもらうんだよ と、教わっているはずです・・・   

給餌のおかげで、1300羽ほどにまで回復してタンチョウさんたち。
親たちもその親の世代から給餌場に行けば、食べ物があることを教えられいるのでしょうね!
なので、他の土地に行かなくても大丈夫と思っているのでしょうね!

> 人類が滅亡して餌を与える人が居なく成った時、一緒に滅亡するのでしょうか???

いや、タンチョウさんたちはどうするのでしょうね!
ヒトがいなくなり、原野になった湿地に棲みつくのでしょうか!?
それとも..!v-519v-521
[2014/12/31 09:32] URL | duck4 #-[ 編集 ]
Gabachoさんへ

おはようございます!

> こんばんは、
>
> 富士山からの大量の湧水をあつめる柿田川は、ずっと昔から生活排水の影響を殆ど受けない川だと思います。この川にはミシマバイカモという水草がたくさん生えています。河川が自然の護岸のままで生活排水や農業排水が流れ込まなかった頃にはどこにでもあった光景なのだろうと思います。

人間の手が加わっていない川があるのはすごいことです!
今では、どの川でも人間の手が入っていて、コンクリートで護岸が固められてしまいました。
七北田川もそうですが、一部は草や竹が生えているところもあり、きっと昔のままなのかなと
勝ってな想像をしています!

やはり、生活排水が流れてきていますので川は汚れています!
またマコモも自生していません!
>
> 人間と野生動物の共存は、大きな課題だと思います。いろいろ議論があります。佐渡の小さな谷戸で、休耕田を借り受け水を張ってトキが自然に餌を捕れるようにしてあるところがありました。こういった地道な取り組みを進めていくしかないのだろうと思います。

朱鷺さんが生きられるように、冬でも水を張ることは、良いことです!
蕪栗沼周辺の冬水田んぼも、田んぼに水をを張っておくことで、冬でも餌場としてハクチョウさんたちに使ってもらおうという、ハクチョウさんとヒトとの共存の一事例になっています!

マコモを取り戻したり、冬水田んぼのような取り組みを一歩一歩進めていくことで、
ハクチョウさんたちも、自然の餌だけで生き延びることができるようになると思います!v-519v-521
[2014/12/31 09:40] URL | duck4 #-[ 編集 ]
パッサーさんへ

おはようございます!

> 真剣に考えなくてはいけないテーマですね。

給餌を止めるということはいろいろな弊害も出てくるので、
duck4ブログで取り上げて見ました!

> 北海道のタンチョウヅルは保護のため・出水のナベヅル・マナヅルはツルの保護と農作物被害の軽減のため、人間がまき餌をしています。

給餌には、タンチョウさんや出水のナベヅルさん、マナヅルさんの保護の他に、
農作物への被害を抑える効果もあるようですね!

確かに、この春、札幌から浜頓別に行く途中、
多くのハクチョウさん、マガンさんたちが牧場や田んぼを餌場として利用していました。
その雪解けが進んだ牧場では、ハクチョウさんやマガンさんに草が食べられてしまい食害にあってしまう話を聞いたことがありました!


> 昨日、『鳥の道を超えて』という映画を見てきました。
> かすみ網をテーマにした映画ですが、昭和の中頃までは鳥の数が多く、羽音でポインター犬が恐ろしがったそうです。

昭和の中ごろまでは鳥さんたちが、犬も恐れるほど、多かったのですね!

> 農薬散布・環境の変化等、原因は日本だけにとどまりません。

確かに、農薬を使い始めてから、自然環境も変り、鳥さんたちの好物の虫さんも少なくなりました。
レイチェルカーソンが本の冒頭で暗示しているような沈黙の春が来ないことを願うかぎりです!
春に、ツバメさんがいなくなったら大変なことになってしまいます!

> 鳥は環境のバロメーター、一気に解決できませんが今ある自然環境をこれ以上変えたくはありません。

duck4もそう思います!
これ以上の自然環境を悪化させたくありませんね!

> 何も出来ない自分にもどかしさを感じますが、日常触れ合う鳥達を大事に観察する様にしています。

duck4もですが、日々、ハクチョウさんたちの観察から
いろいろなことが毎日のように発見があります!v-519v-521
[2014/12/31 09:54] URL | duck4 #-[ 編集 ]
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Author:duck4
ニックネーム:ダック4(Duck4)
趣味:旅行、バードウオッチング(アヒル・ハクチョウ)
小著:『ヒュッゲの国からデンマーク流人生の楽しみ方』
(本の森出版)

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